01 曽爾の水と米で作る
曽爾村初の酒造事業

「ゆめの里かずら」は、「葛(かずら)」という集落の住民たちで作った農事組合法人です。27名の組合員で構成され、そのうち7名の理事と、大阪からやってきた地域おこし協力隊員・佐々木翔平さんの合計8名が中心となって運営しています。そんな「ゆめの里かずら」で取り組み始めているのが、曽爾の山々からの湧水で育った米を使って作る、曽爾村初の酒造事業。米焼酎の先進地での研修で技術とノウハウを学び、目下、焼酎製造・販売のための許可申請を進めているところです。

02 許可不要の甘酒から
製造・販売をスタート

「ゆめの里かずら」のみなさんが焼酎造りを始めた背景には、やはり少子高齢化によって少しずつ住みづらくなってくる集落の未来を、少しでもよくしていきたいという思いがありました。「全員素人だから大変ですが、こうしてみんなで取り組むのは楽しいです」と、理事長の穐西さん。理事のメンバーは販売促進部、製造部、管理部に分かれ、それぞれの役割を分担。女性の組合員は、飲み手に焼酎の楽しみ方を提供する「焼酎唎酒師」になるための講座を修了するなど、製造だけでなく、より多くの人に届けるためのコンテンツづくりにも取り組んでいます。しかし、実際にはまだ製造・販売の許可が下りず、焼酎造りをスタートできないのだそう。それでも、そのもどかしさをエネルギーに変え、「ゆめの里かずら」のみなさんは、許可不要の甘酒の製造を開始。まずは村内で披露されました。

03 地域と肩を並べて、
一から事業を育てていく

そんな「ゆめの里かずら」に伴走する地域おこし協力隊員が、大阪府茨木市から家族と共に移り住んできた佐々木翔平さん。佐々木さんは、曽爾に来るまでは大阪府内の市役所職員としてまちづくりに関わるなどしていましたが、「もう少し地域に踏み込んでまちづくりに関わりたい」と考え、曽爾村の協力隊募集に応募。酒造りの経験があったわけではありませんが、組合員のみなさんと肩を並べて一から酒造りを学び、取り組んでいく新たなチャレンジに、日々おもしろさと喜びを感じているといいます。「もともと京都の田舎町の出身なのもあって、ゆくゆくは自然豊かな田舎で暮らしたいね、と妻とも話していました。曽爾村を選んだのは偶然ですが、このご縁を大切に、この事業をみなさんと一緒に育てていけたらと思っています」。

04 まずは地元の人たちに
愛される焼酎へ

焼酎製造・販売の認可が下り、曽爾村初の焼酎が誕生したとき、それは同時に、奈良県初の特産品を使った焼酎の誕生も意味します。「まずは地元の人たちに飲んでもらって、地元で買ってもらえるよう認知を広げていき、そこからさらに奈良県下に卸していけるように取り組んでいきたい。そして、この事業を成功させて、若い人たちに跡を引き継ぎたいと思ってもらえるようにしていきたい」と穐西さんは話します。
佐々木さんを含め、すでに葛には3組の移住者がやってきているそう。そのうちの一組は農家民泊を始めるといいます。ゆっくりではありますが、着実に賑わいが生まれつつある葛地域。酒飲みのおっちゃんたちが賑やかに造る曽爾の米焼酎が完成するまでにはもう少し時間が必要ですが、ぜひその日を楽しみにしてください。

曽爾の恵みで作る
優しい甘酒はこちらから
お買い求めいただけます

BUY

地域イノベーション・プロジェクト その他の記事

無農薬で手搾り、人と笑顔の輪をつなぐ、たわわに実るゆず 曽爾高原ゆず生産組合 たわわ「たわわ」 井上治子さん 無農薬で手搾り、人と笑顔の輪をつなぐ、たわわに実るゆず 曽爾高原ゆず生産組合 たわわ「たわわ」 井上治子さん
曽爾高原の豊かな森林がはぐくむ名水と玄米コーヒー 太良路名水研究会 瀧阪昇さん/寺前正夫さん/井作謙さん 曽爾高原の豊かな森林がはぐくむ名水と玄米コーヒー 太良路名水研究会 瀧阪昇さん/寺前正夫さん/井作謙さん
仲良しの村が作る昔ながらの無農薬こんにゃく 長野生産加工組合 びょうぶ山桜の郷 奥西幾代さん 仲良しの村が作る昔ながらの無農薬こんにゃく 長野生産加工組合 びょうぶ山桜の郷 奥西幾代さん
始まりの地で復活を目指す曽爾の森 漆ぬるべ会 松本喬さん 並木美佳さん 始まりの地で復活を目指す曽爾の森 漆ぬるべ会 松本喬さん 並木美佳さん
湧き水で育った米で仕込む奈良県初の米焼酎 農事組合法人 ゆめの里かずら 湧き水で育った米で仕込む奈良県初の米焼酎 農事組合法人 ゆめの里かずら

トップに戻る