01 ずっと村と共にあった
曽爾高原の豊かな湧き水

日本有数の景勝地、曽爾高原。その裾野にある、曽爾村の中でも最もコンパクトな集落・太良路の人々の暮らしは、代々、曽爾高原と森林が育む豊富な水と共にありました。現在も、曽爾高原の4倍にもなる160町歩の林を40名ほどの生産森林組合で管理し、大切な水源を守っています。そんな太良路に名水研究会が立ち上がったのは5年ほど前のこと。村の「集落活性化事業」を使って地域を盛り上げるために、この「平成の名水100選」にも選ばれた曽爾高原湧水群を活用していこうと、地元の有志10名が集まって設立されました。

02 協力して山と森を守り、
いただく恵みをお裾分けする

名水研究会が立ち上がる14年ほど前、太良路集落では、水を作ってくれる山と森林の保全のために、独自に水道組合を設立して浄水施設と水道を整備。自分たちで1,500万円を出資して、曽爾高原の湧水を飲めるようにしていました。そして瀧阪さんたちは、この湧き水を訪れる方々にお裾分けしていこうと考え、給水施設の整備を構想したのです。しかし、村から支給される補助金では到底そのような設備は準備できませんでした。そこで集落の人々へ協力金を依頼。再びみんなで出し合ったお金で、土地を造成し、水の自動販売機を設置・販売するに至ったのです。

03 陽と水と土がつくる
優しい「玄米コーヒー」

さらに名水研究会では、この水をより楽しんでもらえるようにと、新たな商品開発に着手。さまざまなリサーチの結果生まれたのが、「玄米コーヒー」でした。会長の瀧阪さんがもつ曽爾高原に最も近い田んぼで、曽爾高原の水で米を育て、製粉し、全国に2台しかない焙煎機で、研究会のメンバーがひとつひとつ手作りしています。玄米コーヒーはノンカフェインで、妊婦や子ども、お年寄りの方も安心して楽しめる優しい飲み物。腸内の毒素を吸着・排出するデトックスや、腸内環境を調える働きが期待できるともいわれています。副会長の寺前さんは、「牛乳を入れてカフェオレで飲むのがおすすめや」と、にっこり笑いながら教えてくれました。

04 村のみんなが少しでも
暮らしやすくなるように

今後は、この名水と玄米コーヒーをもっと知ってもらえるよう、ペットボトルでの販売も構想中。「県内の道の駅など、販路の拡大とPRに力を入れていきたい」と瀧阪さんは力強く話します。その背景には、高齢化が進む村の人々の負担を少しでも減らしていきたいという思いがあります。「この村も高齢化して、みんな年金暮らしです。小さくて狭い村ですが、管理するのにもなかなかにお金がかかります。収益を上げて、みんなが少しでも暮らしやすくなるようやっていきたい」と寺前さん。
「若い人たちにも戻ってきてもらえるような事業になるのが理想ですが、なかなか難しい。でも、頑張っていきたいと思います」と話してくれたのは井作さん。この3人に、会計を担う宇山さんを加えた役員が中心となり、これからの太良路を盛り上げていきます。曽爾高原が生み出す湧水で育まれた玄米コーヒーを、曽爾高原の湧き水でいただく。まさしく「made in soni」の贅沢なお裾分けを、ぜひ一度味わってみてください。

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